彼らは沖縄の暖かい海に出産、繁殖、子育ての為にやってくる。
この時期はホエールウオッチングツアーも行われていて、多くの観光客で賑わう。
クジラは肺呼吸の為、水面に上がって呼吸をする。その時、大きな飛沫が吹き上がる。
これをブローという。いわゆるクジラの潮吹きだ。
ブロー間隔は数分の場合もあれば、数十分の場合もある。
浅い潜りの場合は、写真のように尾ビレの上面を見せながら潜る。これをフルークダウンダイブと言う。 深く潜る際は、尾ビレを垂直に立て、内側を見せる。こちらはフルークアップダイブという。
浅く潜った場合、次のブローまでの間隔は数分程度だが、深く潜った場合、次に水面に浮いてくるのは10分以上かかる事もある。体を横にしたり、お腹を上にしたりして胸ビレを水面に出し、それを叩きつける行動を見せる。 これをペックスラップと呼ぶ。
遊びとか仲間とのコミュニケーションの為とも言われている。
水面を叩く際に非常に大きな音が出る。
周囲に対する威嚇行動だと言われている。
1度だけではなく、何十回と繰り返し行う事もある。
ザトウクジラのオスがメスを争ってメイティングを行っている時に良く見る気がする。
周囲のオスに対しての威嚇行動ではないかと思う。頭部を垂直に持ち上げ、数秒間周囲を観察するようにしてから静かに水中に戻る。 時にはくるりと180度回転する事もある。 まさに偵察行動だ。
ザトウクジラは陸上の地形なども確認して自分の位置を把握している事が伺える。勢いがあるので口や鼻から海水を噴き出す事もある。
メスを争っている時の他のオスへの威嚇行動ではないかと言われている。勢いよくジャンプして、体の2/3以上を水面に出し、体を回転させながら着水する。 大きな音と水飛沫が上がる迫力があるパフォーマンスだ。
体に着いたフジツボを落とす為とか、コミュニケーションの為とか、天敵のシャチを追い払う為とか、いろんな説があるが、ただ単に遊んでいるだけという説もある。母クジラが飛ぶと、子クジラが真似をするといった具合で、合計で50回以上のブリーチングをやっていた。 母クジラが子クジラにブリーチングのやり方を教えているように見えた。
ブリーチングはほんの一瞬の出来事だが、頭が出てから着水するまで2秒間は飛んでいる。 落ち着いてカメラを構えれば写真に収めるのもそれほど難しくはない。
歌うのは繁殖期のオスだけで、メスを誘うためだと言われている。
歌には決まったフレーズがあり、それを何回も繰り返す。
同じ地域に回遊するザトウクジラのオスは皆同じフレーズを奏でる。
この歌は年ごとに流行があり、毎年少しずつフレーズが変わっている。
沖縄ではこの母クジラと子クジラのペアを見るケースが一番多い。 子クジラが息継ぎが苦手な為、深く潜れないというのも理由の一つだ。
ザトウクジラの妊娠期間は11~12ヶ月。 産まれたばかりの子クジラは体長が4.6m、体重は1.3tある。