おきなわ図鑑 >> 沖縄水中観察日記

Vol.8 ヒラムシについて

ヒラムシとは扇形動物門渦虫綱多岐腸目に属する動物の総称で、見た目はウミウシに似ているが全く異なる生物だ。 ダイビング中、良く目にすることはあるが、何故か人気がなく、ゲストも写真に撮らない事が多い。

人気のない理由の一つが名前が分からない事だと思う。せっかく写真に撮っても名前が分からないと興味が半減してしまうし、記憶にも残らない。 人間はモノに対して名前を当てる事でそれを認識し、記憶する生き物なのだ。

今月、ヒラムシの図鑑が発売された。早々に入手して見てみると、非常に多くのヒラムシが紹介されていた。
ヒラムシは研究が進んでおらず、今後さまざまな変更がある事が予想されると書いていたが、それを承知の上でおきなわ図鑑のヒラムシのページも見直しを行った。 そのうち変更のあったいくつかをここで紹介する。
キクロポルス・ウェネトゥス このヒラムシは Cycloporus venetus という。
当サイトはカタカナ読みでキュクロポルス・ベネトゥスとして掲載していたが、図鑑ではキクロポルス・ウェネトゥスとなっていた。
venetusの「ve」は「ベ」ではなく「ウェ」で発音するので後者が正しい。
学名はカタカナ読みで良いと以前教わった事があるが、ラテン語の読みには少々のルールがある。
読み方の精度が上がるのは良い事だと思う。
マリチグレーラ・ウィルグラータ 名前が分かったヒラムシも多く居た。
このヒラムシは、マリチグレーラ・ウィルグラータ Maritigrella virgulata という。
プセウドビケロス・グロリオーサス このヒラムシはクロニセツノヒラムシとして紹介していたが、図鑑で絵合わせすると、プセウドビケロス・グロリオーサス Pseudobiceros gloriosus が正しいようだ。
クロニセツノヒラムシは背面周縁がオレンジ色の細線と黄色線で縁取られるが、 プセウドビケロス・グロリオーサスは紫色の細線と薄紫色、赤紫色の線で縁取られる。
プセウドケロス・フェルギネウス このヒラムシはプセウドケロス・フェルギネウス Pseudoceros ferrugineus になっていた。
当サイトではアデヤカニセツノヒラムシという和名で掲載していたが、この名前は出典不明だそうだ。
ハナアカリニセツノヒラムシ それに対して、プセウドケロス・ゴスリネリ Pseudoceros goslineri と学名で掲載していたヒラムシはハナアカリニセツノヒラムシという和名が付いていた。
ちなみに、goslineri は献名なのでゴスリネリではなく、ゴスライナーイが正しい。
ヨイミヤミノヒラムシ ティサノゾーン・ニグロパピローサムとして掲載していたものはヨイミヤミノヒラムシになっていた。
ちなみに、ティサノゾーン・ニグロパピローサムは別種に当てられている可能性があるとの事だった。
なので、学名は Thysanozoon cf. nigropapillosum になっていた。(「cf」は似ている、参照するという意味がある)
チハヤニセツノヒラムシ ビンガタニセツノヒラムシとして掲載していたものはチハヤニセツノヒラムシ Pseudoceros imperatus だった。
ビンガタニセツノヒラムシは通常背面の斑紋が繋がらないとされている。
自分はまだビンガタニセツノヒラムシとされる個体を見た事がない。
プセウドケロス・コントラリウス 良く似たヒラムシも紹介しておこう。
サクラニセツノヒラムシと紹介してしまいそうなヒラムシだが、背面周縁に入る色のパターンが違う。 プセウドケロス・コントラリウス Pseudoceros contrarius というらしい。
2015年7月末の時点で、当サイトでも57種のヒラムシを掲載していた。 これからももっと増やしていけるように水中観察を続けていきたい。

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